BMWだけに限らず、また輸入車や国産車に限らず最近増えている買い方が残価設定型ローンです。
このブログの読者の中にも残価設定型ローンで車を購入されている人も多いかもしれません。
残価設定型ローンの大きな特徴は、3年や5年などのタイミングで下取りに出す事を前提として下取り相当額をあらかじめ設定し、その金額を最終回の支払いに回す事で月々の負担を減らすことができます。
ただし、設定したタイミングで代替えしたり、返却しないと延長ローンは金利が高く設定されていることがあります。
また、次の車の購入際しても多くの場合は再度同様のローンを組むなどしますので、事実上ローンに終わりがない。というのは実情です。
ただ、月次の負担が減ることによるメリット、または通常ローンで購入する場合だと手が届きにくい1クラス上の車に手が届くというメリットがあります。
メリットデメリットをまとめると次のような形です。
購入者側(ユーザー側)のメリット
・月々の負担を減らす又は上位クラスの車種に手が届く。
・定期的に乗り換えることが前提の場合先が見通しやすい。
・クローズド型を選ぶ場合、下取り価格を確定できるので安心。
・特別金利の適用などがある。
購入者側(ユーザー側)のデメリット
・延長ローンを組む場合完済までの時間が長くなる。
・延長ローンを組む場合金利が高く設定されているケースが多い
・走行距離に制約がある。
・カスタマイズなどに制約がある。
・オープン型の場合下取り額が予定額を下回るリスクがある。
・乗り換えは下取り価格が十分に無いと他メーカーに映り難い
併せてメーカー側のメリットもみてみましょう
メーカー(ディーラー側)メリット
・価格帯の高い新車を販売しやすくなる。
・ローン利用による金利収入の増加(金融子会社をグループ内に持っている場合)
・中古車の流通数をある程度予測できる。
・定期的な買い替えを推進できる。
・上記に伴って生産量/輸入量のコントロールなどに余裕ができる。
・オープン型の場合、下取り額が確定されていないのでリスクが少ない
メーカー(ディーラー側)デメリット
・オープン型で下取り額が不足した場合でも買替前提であれば値引き等で対応せざるを得ない。
・これまでディーラー数が少なかった場合、顧客数の増加に対する対応が急務
・中古車流通量が増大するため、予定している下取り額と実際の相場がマッチしないリスク(クローズドの場合)
というようなあたりが思いつきます。
とはいえ、メーカーは多様な経験を元にリスク排除をはじめとして対策した上で、残価率を出していますので、
メーカーやディーラーのデメリットはそれほど無いと考えていいでしょう。
さて、という事で、実際に試算をしてみました。これから買う方も今利用中の方も参考にしてみてください。
モデルにするのはBMW 320i Msport 8ATになります。
新車価格はオプションが無い状態で¥5,830,000-。
今回計算を単純化するため、オプションなし、諸経費とBSIで40万円の追加費用。頭金やボーナス払いは無しとします。
また、金利は1.99%で、3年後の残価率は40%(¥2,332,000-)と設定します。オープン型バリューローンです。
この状態で3年バリューローンを組むと
月額¥112,500-(初回のみ¥115,780)
最終回¥2,424,814-となります。
実質的に支払った額は、¥4,053,280-の見込みです。ただし、最終回は下取り額で不足がある場合支払う必要があります。
さて、通常ローンで36回だと、この金額よりも高くなることは目に見えていますので、60回で組んでみます。
条件は同じであることが前提です。
月額¥110,000-(初回のみ¥111,963-)
となり、36回まで経過した時点で¥3,961963-を支払っています。
残債は¥2,515,991-となり、一括で清算した場合以降の金利が免除されると仮定し、¥2,441,605-の清算金が必要です。
*実際の契約条件は考慮されていませんので、契約時には契約条件をご確認ください。
次に大事なことは3年後の下取り額です。
ここで、2015年モデルで、走行距離2万キロ以内、BMWディーラーの中古車を探してみたところ、概ね300万前後のプライスタグが付いています。
前回中古車価格の話をしましたが、これも参考にしつつ、ディーラー利益の上乗せが50万と見積もり、下取り額は販売価格から50万引いた額で設定します。
例えばこの個体の場合、下取りは250〜260万程度だったのでは無いかと予想できます。
この例で行くと、下取り額は¥2,599,000-と考えられます。
これらをまとめて計算しましょう。下取り額と残債で余剰が出た場合ですが、どちらの場合返還されると前提します。
バリューローンの場合 実支払い額 ¥3,879,094-
60回通常ローンの場合 実支払い額 ¥3,804,568-
ということで、実質的にはあまり変わりませんでした。バリューローンの場合、最終額にも金利がかかっています。
これは清算ではなく、最終額という設定のため金利は総額分支払うことになる点がポイントです。
ただし、60回とした場合、相対的に金利総額が増えますのでそのバランスが重要になります。
今回はオープン型で試算したため、当然ながら下取り価格の変動リスクは同じといえます。
3年で7万円ですので、月額にならすと非常に少額でもあります。それでも7万円は大きい額ですので、両方計算する価値はありそうですね。
なお、今回3シリーズを例題としましたが、3シリーズはフルモデルチェンジが発表されていますので、下取り価格は大幅に変動する恐れがありますのでご注意ください。
最後に、今回の試算は断片的な情報だけで試算をしていますので、実際のローンや下取り額、またローンに於ける条件等は一致しない可能性があります。またこのことにより計算額は大きくずれる場合もあります。
実際の購入に際しては、必ず販売者又は契約者の提示する条件や見積もりを元にご判断ください。