BMWを購入するときには色々な買い方があります。
当然ですが、新車を買う場合は注文車という形で、自分好みのオプションを装着し、オーダー後に組み立てを始める買い方があります。
レクサスなどは全車この方式を採用していると語っており、顧客は注文してから3ヶ月くらいは待たないといけないようです。
その為か、レクサスディーラーには年末や年度末にお店に伺っても忙しい感じはありません。
BMWを含めた欧州車の場合は、注文から生産に加えて海上輸送の都合がありますので、タイミング良くて4ヶ月前後待つ必要があります。Individual仕様などはこちらに該当します。
新車となるともう一つある買い方が在庫車です。在庫車は、メーカー在庫とディーラー在庫に別れます。
メーカー在庫はBMW Japanが在庫として確保している個体を意味し、陸揚げの後、千葉の新車検査等を行うセンターで在庫されていると思われます。
ディーラー在庫は、新規発注またはメーカー在庫をディーラーが仕入れる形で買取り、各ディーラーの倉庫等で保管されているモデルをさします。どちらも未登録の新車ではありますが、すでに完成している為メーカーオプションの選択ができず、付いているオプションを外すこともできない為、運良く希望の個体があればいいですが、そうでは無い場合何らかを我慢する事も必要になります。
ただし、在庫車は基本的に売ってしまわないといけない個体となります。
BMWの場合7月の生産からモデルイヤー自体は切り替わる事もありますので、早々に売りたいという意識が働き比較的値引きを引き出しやすくなります。一説にはモデル末期の3シリーズは在庫なら150万円近い値引きも可能という話さえ聞こえて居ます。
さて、ここから本題の中古車に話を移しましょう。
中古車の場合、一般的に想像する中古車は、一度ユーザーの手に渡り、早くても最初の車検などで手放された個体。これが一般的に思い浮かべる中古車だと思います。
この他に、試乗車あがりの中古車、数合わせのため(インセンティブ目的等)で登録された新古車のおおよそ3種類が存在します。
どれも一長一短ありますのでそれぞれについて見てみましょう。
最初の車検で手放された(と思われる個体)
実際の詳細についてはわかりませんのである程度想像ではなしますが、サンプルはこちらのM4クーペです。
2015年式で現在車検切れ状態(車検取得後納車)という個体です。
車両価格が790万円という事で、走行距離は22千キロとバリューローンで購入した場合の程度として非常にサンプルとしやすい個体です。
バリューローンは、オープンとクローズがありますが、年間走行距離は概ね10千キロを超えると減点となります。
また、この当時のバリューローンは車両本体に対する残価の算出だったため、M4の新車価格¥11,820,000-(LCI後)として、残価55%だとすれば、¥6,500,000-が残価となります。このユーザーが乗り換えとした場合、下取り額を多めにしたりしているケースも考えられますので、仮に¥7,000,000-で引き取っているとすれば、利益と今後の値引き幅を持たせて90万円の上乗せ。は非常に判りやすい値付けのような気がします。もう少し下げても良い気がしますが、M4は人気モデルですのでこの価格でも十分売れるとの判断と思われます。実際、440iを新車で買うことを考えれば十分にターゲット範囲内です。
このように、3年又は5年のタイミングで手放されている個体については、バリューローンを利用している可能性も高いので、残価率がどの程度だったか、又その状態からどの程度加減点がされていて、どの程度販売店が上乗せしているのかを見極めれば、その中古車が割高か割安かを見極める事が可能です。
次に、試乗車あがりの中古車です。
このサンプルはこちらの420iグランクーペ。なお、こちらは現時点で試乗車として利用しており、買い手が着き次第試乗車としての役目を終えるものと思われます。
また、見込み発注の個体としても非常にお手本通りというか、売れ筋状態となっている普通の個体です。
2018年2月登録のLCI後モデルです。おそらく2017年のLCI直後のモデル(製造時期)で、長期在庫から試乗車に回ったのでは無いかと推測します。
フロントのPDCとサイドカメラがオプション設定されているのも、初めてのBMWには最適ですね。
新車価格¥6,420,000-にオプションが15万円程度。ボディカラーはオプションではありません。
この個体が走行約1000キロで487万円ですので、160万円くらい値下がりして居ます。
輸入車は登録すると50万円最低額が落ちるとも言われます。例えば登録完了時点で590万円の価値だったとして、あと110万円はどこに消えたのでしょうか?
車両の減価償却は通常4年で行います。仮に642万円の減価償却をすると、7ヶ月で93万強の減価償却となります。
少し足りない気はしますが、そもそもBMW Japanからディーラーへの納入額は小売価格と違いますので、特別割高ではありませんが、割安という訳では無いかもしれません。
なお、この車両を売却するときは2オーナー扱いになりますので、一般査定では減点になります。長く乗る予定であれば良いのですが、最初の車検で手放すなどの状態だと少し損かもしれません。ただ、仮に在庫車でも4シリーズは160万円もの値引きは考えにくいため、お買い得ではあります。なお、中古車になるため、ローンの場合は金利にも注意が必要です。
次に、新古車です。
こちらは、12月末や3月末に、登録台数や販売台数の嵩増しを目的としてディーラーが登録を行う車両です。
ディーラーの公式な名目は、即納できる車両を増やす。ということを言うケースがありますが、新車ではなくなるデメリットを考える場合、また、新車の在庫車でも実質的な納入にかかる期間はあまり変わらないことを考えると、単なる言い訳とも言えます。
サンプルは318iのスポーツモデルでストレージパック装着モデル。なお、この個体は試乗車として登録されて居ませんでしたので、新古車と見るのが正しいです。
LCI後の3シリーズのカタログには、このカラーリングのスポーツモデルが載って居ますので、グレードこそ違いますが、見た目はカタログ通りの個体という事になりますね。
さて、新車価格¥4,900,000-にオプションとなりますので、170万円の値落ちは非常に魅力的に見えます。
ただ、冒頭でも書いた通り、3シリーズは新車の在庫車でも150万前後の値引きが取れるという話が聞こえてきていますので、必ずしも安いとは言いがたいのかもしれません。
同じディーラーで見積もりすると、売りたい方に合わせた見積もりを出される可能性があるので、別のディーラーで新車の3シリーズ(在庫)の見積もりを取り、比べた方が良いというところですね。
ちなみに、このパターンで出てくる新古車としては、1シリーズ、2シリーズ(アクティブ/グランツアラー)、3シリーズが圧倒的に多くなって居ます。そのため、これらのモデルは時期によって中古車市場の価格が崩れる事もありますので、注意が必要です。また、中古車市場の相場が、実質的に操作されてしまうという観点でも、新古車はあまり望ましい事では有りませんが、特に売れ筋になる車両についてはそういった対応が取られる事もある事を理解した上で購入計画を建てる方が良いでしょう。
いかがでしたか?
一言で中古車といっても、中古車になった事情は様々有り、またその状態によって得か損かが別れる事があります。
中古車購入に際しては価格の見極めをきちんとしてから購入したいですね。
なお、今回も各個体を所有のディーラーさんとはなんら関係ありません。また、中古車となった経緯も状況からの判断であり、実際の経緯は各ディーラーにてご確認ください。
非常に参考になりました!
コメントありがとうございます。お役に立てて何よりです 🙂