4シリーズは、クーペ、カブリオレ、グランクーペ共にドアに枠のない、いわゆるハードトップスタイル(サッシュレスという言い方もあります。)です。
4シリーズに限らずクーペモデルの多くはハードトップとなります。
日本でも、90年代はじめなどに、多くのメーカーでハードトップモデルが作られました。クーペスタイル4ドアの車でも、多く使われていましたが、その後衝突安全などの問題からハードトップは減少して行き、現在だと国産セダン系モデルでの採用はありません。
セダンと括るとすこし変わった印象もありますが、所謂4ドアモデルでハードトップは、現状だと輸入車に限られ、BMW・アウディ・メルセデスの各4ドアクーペモデルと、マセラティギブリ、などがあげられます。
このハードトップはこれらのモデルも含め、4シリーズグランクーペでも一つのアイデンティティです。
ハードトップスタイルのスタイリングが、よりスタイリッシュなサイドシルエットを構成し、かつ、ドアを開けた時のスタイリングを強調します。
また、このドアは意外と便利で、狭い場所でドアを開閉する時に窓を開けておくことで出入りが少しだけ容易になります。BMWは降車後にドアロックボタンの長押しでドアウインドウが全閉しますので、非常に便利です。
他にも、窓を開けた状態でドアを開けると開放感がありますので、これからの季節、山や海の近くのパーキングでドアを開け放って車とゆっくり過ごす。なんていうのもいいですね。サンルーフがあれば開放感はさらに高まります。
リアドアは窓が2分割されませんので、大きく見せますし、後席からの視界も非常に広くなります。
また、クォーターウインドウはアクセントと採光に非常によく、これもキャラクターを強調するアイコンとなります。
4シリーズの場合、誇らしげにあるGranCoupeのロゴもいいですね。
しかし、このハードトップタイプのドアにもデメリットがあります。
もう21世紀になり、輸入車は雨漏りが起きる。なんて時代ではありません。サッシュレスのドアガラスから水が入るということはないですし、ドアを開けた時と閉めた時でガラスを少し上下させるなど、密閉性を向上させる仕組みも整っています。
しかし、それでもやはり密閉性という点では劣ります。
洗車機に入れたりしても問題が起きるレベルではありませんが、ドアサッシュのある3シリーズセダンなどから比べると遮音性は少し低く、特に走行時のロードノイズは入り易い傾向にある気がします。
また、セダンタイプのモデルは、ドアを閉める際に、その密閉性の高さからかある程度力を入れて閉めないと閉まらないのですが、比較的軽く閉まります。
これは、ドア開閉時のウインドウの上下昨日も関与していますが、欧州車にある重みのある開閉音が少し劣るところでもあります。
非常に細かいポイントではありますが、ハードトップ/サッシュレスドア故の気になる点もありますね。
前回、3シリーズとの比較記事を書きましたが、こういったポイントも購入の決め手になる事があります。
あまりグランクーペの試乗車を持っているお店は少ないようですが、ぜひ両方試したいところですね。