火. 9月 29th, 2020

 

ボディ剛性と衝突安全性。

http://https://www.youtube.com/watch?v=libw1rV2McY

最近この二つのキーワードは、きちんと区別されて紹介されていないケースが多々あり、時々は混同しているケースもあります。

という事で、今回はボディ剛性である「剛性」と「衝突安全性」の二つについて説明したいと思います。

ボディ剛性について
ボディ剛性は、ねじれ剛性とも言い換えられます。自動車のボディはサスペンションを介してタイヤおよび路面と設置しますが、タイヤからの入力をサスペンションを介して受け止めるのがボディです。
この時、ボディが簡単にねじれてしまう場合、サスペンションがきちんと動作できず、いいサスペンションを入れても効果を発揮できない。というケースがあります。
ボディ剛性は、ボディの開口部が大きくなればなるほど落ちる傾向にあり、当たり前ですがセダンやクーペに比べれば、ミニバンやステーションワゴンの方が剛性が落ちます。
このボディ剛性は、モノコックボディの場合、ボディ全体の構造と設計で性能が決まってきます。
さて、では固ければいいのかというとそうでもありません、適度にねじれる必要がありますが、ねじれるタイミングも重要です。ですので、サスペンションの性能とトータルでの設計が必要になります。

レーシングカーなどの場合は、ロールバーをフレームに溶接し、剛性の強化などをしており、市販車のボディを使うようなレースカーでも市販車とはボディ剛性が全く異なります。そのため、硬めのサスペンションやスリックタイヤという組み合わせで速く走る事ができます。

ちなみに、日本車はこのボディ剛性が弱い(ドイツ車比)とも言われています。実際、私自身が経験したのは、ミニバンを少し傾斜のある駐車場に止めてバックドアを開けたところ、閉まらなくなりました。これはボディが歪んだゆえです。一度平らな場所に車を移してバックドアを閉めたところ、事なきを得ましたが、非常に剛性が低い事を実感した体験でした。

こういう場合、リアタワーバーなどを入れる事で改善できるケースもありますが、ミニバンという性格上、リアタワーバーは居住スペースを無駄に使い邪魔になりますのでやむを得ないのかもしれません。
同じく、グランクーペのようにリヤハッチの開口部が大きい車も剛性上は不利です。特に、リヤのバルクヘッドが無く、積載性を向上させている現代の車では不利なのですが、グランクーペは当然ながら、斜めの駐車場に置いてもハッチが閉まらないという事はありません。それだけ剛性を強化しているという事でもあります。

この剛性の低さは、主にコーナリングに影響します。ステアリングを切り始めた時にラグがあるのか、シャープな反応をするのか、大きく変わります。前出のミニバンのように重心点が高い車の場合、ステアリングの反応がシャープである事はリスクにもなるので、剛性が高い必要は無いとも言えます。
とは言え、スポーツタイプの車でも、日本車はドイツ車比で剛性が低いと言われます。
ただ、この剛性の低さは、乗り心地などにも影響があり、ドイツ車特有の「硬い乗り味」はしっかりとした反応を求めるユーザーには良いものの、同乗者などには辛いと感じるケースもあるようで、日本車はその部分にも配慮しているのかもしれません。

ちなみに、ボディ剛性は、外板部分は関係ありません。トランクやボンネット、フェンダー、ルーフなど応力を受けない部分はほぼ関係無いと言えます。

さて、次に衝突安全性です。

衝突安全性は、ボディ剛性とは全く関係が無いと言っても過言ではありません。ボディ剛性が高い車であっても衝突安全性が高いとは言い切れません。
特に、現代のボディ構造は、乗員のいるスペースを硬く、その前後を柔らかく作り、衝突時の力を分散し逃がす事で安全性を高めています。そのため、ある意味では壊れやすく力が逃げやすいボディが良いと言えます。
これは、ボディ剛性の考え方とはまた別の物であると言えます。

しかし、衝突時には、乗員への衝撃をどれだけ軽減できるかが、安全性を向上させる上で非常に重要です。
そのため、ボディの前後。セダンタイプであればエンジンルームとトランクをクラッシャブルゾーンとして設計し壊れやすくする事で、前後からの衝撃を吸収し乗員への衝撃を和らげます。
これはボディ剛性とは全く別の問題です。

この場合、ドアやフェンダー、ボンネットなども力を逃がす上で重要になりますので、影響があります。

さて、このクラッシャブルゾーンは、通常サスペンションの取り付け部分にもなります。
そのため、剛性は必要となる部分ですので、壊れやすく高い剛性を確保する。という相反する要素を両立させる必要があります。各自動車メーカーはこの相反する事を両立させている。という事でもあります。

さて、ロシアで有名なボディワークの達人、アーサーさんの4シリーズリペアどうがです。ボディの中を見る事ができますよ。













One thought on “ボディ剛性と衝突安全性”
  1. […] さて、前回のブログでは、ボディ剛性と衝突安全性の違いについて話しました。 往往にして、ルーフというのは応力を受けていないのですが、それはあくまでルーフであって、ルーフサイドのフレームに該当する部分は別の話です。 オープンカーの場合、この部分が存在していないため、ボディ剛性、安全性共に通常のボディに比べて強度が落ちるというのは事実です。 このi8ロードスターは、そもそもボディシェル自体がカーボンでできているため、事情が異なります。 […]

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